MISAさん×ASUKABOOK
コラボ企画インタビュー

これから始まる2人の物語に、ずっと寄り添うアイテムを

アートやデザイン、ライフスタイルといった分野で活躍するクリエイターとASUKABOOKがタッグを組み、新しい商品を生み出すコラボ企画。その第一弾として、ブライダル向け『ZENレイフラット® ART Precious』、『ボードPrecious』の2アイテムが登場しました。

今回コラボをお願いしたのは、ウエディングペーパーアイテムのデザイナーとして活動する
『MISA DESIGNS』のデザイナー兼CEO・MISAさん。

コラボアイテムの開発話やデザインへの想いを伺いました。

MISA DESIGNS

小路 美早(ショウジ ミサ)

1990年生まれ。
WEDDING PAPER ITEMをはじめとするグラフィックデザイン、WEBデザイン、アートディレクション、ブランディングなど、さまざまなデザインに携わる。
学生時代は化学分野の研究に没頭し、技術者としてメーカーに就職。あるとき通りかかったウエディングドレスショップに心くすぐられ今しかないと思い、ウエディングの世界へ。その後、デザインとカリグラフィーを学び、2017年よりWEDDING PAPER ITEMのオーダーを開始する。これまでに1,000組以上のウエディングアイテムを制作。2021年にMISA DESIGNS inc を設立し、ブランディングや写真撮影などの企業案件も引き受ける。

小路 美早(ショウジ ミサ)

使いやすいコンパクトなサイズ感と手触りの良いファブリック。
洋書をイメージした『ZENレイフラット® ART Precious』、『ボードPrecious』

「ZENレイフラット® ART Precious」、「ボードPrecious」

手触りの良いファブリックとコンパクトなサイズ感、洋書のようなデザインが特徴の『ZENレイフラット® ART Precious』、『ボードPrecious』。シックなネイビーと、ナチュラルなキャンバスから選べる2種類のカラー展開。アルバムを引き出すホワイトのリボンにも手触りのよい素材を使用し、ネイビーにはゴージャスなゴールドの文字、キャンバスにはシンプルなブラックの文字を施しました。表紙の文字デザインは「Better Together」「WITH GRATITUDE」「episode」から選択可能。ケースには「THE WEDDING」の文字が入り、名前や日付などお好きな文字を入れることもできます。

手触りのいいファブリックを全面に使用。アルバムを引き出すリボンの素材にもこだわった

手触りのいいファブリックを全面に使用。アルバムを引き出すリボンの素材にもこだわった

ケースのサイズは194mm x 244mm、ブックは180mm x 230mmと、持ち運びやすさを重視したサイズ感。本文が薄い『ZENレイフラットART Precious』は10Pから100Pまで2P刻み、本文が厚い『ボードPrecious』は4Pから40Pまで2P刻みと、挙式・披露宴のブライダルでもフォトウェディングでもページ数は思いのまま。箱がきっちりと閉まるようケースの裏蓋まで全ての面を布張りに。大切なアルバムを収めるに最適な箱です。

インテリアにこだわり、
お気に入りのアイテムに囲まれて心が満たされているカップルに選んでほしい

―どんなカップルをイメージしてデザインされましたか?

最初にイメージしたのは、洋書やおしゃれなアートブックをインテリアの一部として飾っているような、生活空間にこだわるカップルです。お気に入りの雑誌のように本棚やリビングの片隅にさりげなく置いてもらえるよう、インテリアに馴染むアルバムにしました。結婚式のアルバムは、汚したり傷がつかないよう取り扱いに気を使ってしまう重厚感のあるものが多いですが、それでは気軽に手に取ってアルバムを開いてもらう機会が減ってしまう。特別なときにだけ見るアルバムではなく、もっと身近で、毎日でも手に取りたくなるようなアルバムにするためには、多少ボロボロになって角が擦れてしまっても気にならない親しみやすさが必要だと思いました。

2色の表紙カラーと3種類の文字デザイン、お好みのデザインを組み合わせることができる

2色の表紙カラーと3種類の文字デザイン、お好みのデザインを組み合わせることができる

コロナ禍でこれまでの生活を見直す人が増え、アルバムに限らず、「とりあえず買っておこう」から「こだわりのあるものを買おう」「価値のあるものにお金をかけよう」という考えが広がったように感じています。せっかくのアルバムを押し入れの中にしまったままにするのではなく、ふとしたときに手に取りたくなるようなデザインで、アルバムを見る機会をもっと増やしてもらいたいと思いました。

アルバムは新郎新婦だけが見るものではないから、流行を追わず、私らしいデザインにこだわりました

―コラボアイテムをつくるにあたって、こだわったところは?

結婚式のアルバムは新郎新婦が見て終わるものではなく、両親や祖父母、子ども、孫、またその次の世代まで見られるものなので、流行は追わず、“そこにあって違和感がないもの”をつくりたいと思いました。ペーパーアイテムに限らず、私が仕事をするときに常に気をつけているのが、私らしいデザイン、つまり『MISA DESIGNS』感を大切にすること。デザインは文字や装飾がなくてもアイテムの存在感や佇まいだけで充分成り立つと思っているので、多くの要素は加えない、とことん無駄を省いた引き算デザインにこだわっています。今回のコラボアイテムに関しても、ASUKABOOKさんのこれまでのデザインに寄せてしまうのではなく、私が普段のデザインでよく使う言葉をチョイスしたり私が描いた文字を使ったりと、いつも通りのデザインを意識しました。

2色のカラー展開と3種の文字デザイン。MISAさんのデザインに込められた「結婚」の意味

―カラー展開や文字デザインへの想いを聞かせてください。

今回製作した『ZENレイフラット® ART Precious』と『ボードPrecious』は、ネイビーとキャンバスの2色展開です。ブックには「Better Together」「WITH GRATITUDE」「episode」の3種の文字デザインを施し、好きなデザインを組み合わせて新郎新婦だけのアルバムを作ってもらえるようにしました。ウェディングのアイテムには「thank you」や「best day ever」などの言葉がよく使われますが、私がデザインするアイテムには「together」や「with you」といった言葉を使うことが多いですね。結婚式はこれから2人で歩む人生の一つの節目であるという思いや、いいことも悪いことも含めた全てが“結婚”ということなのだという私自身の経験から選び出した言葉です。

新郎新婦のために想い込めて描くオリジナルのカリグラフィ

新郎新婦のために想い込めて描くオリジナルのカリグラフィ

3種類の文字デザインのなかでも、「Better Together」は私のデザインを最も象徴する言葉。嬉しいことも悲しいことも今日からは2人になる、2人で一緒に歩んでいく、という意味が込められています。このアイテムだけのオリジナルのカリグラフィも特徴です。「WITH GRATITUDE」は「感謝を込めて」という意味を込めています。お互いに感謝を伝え合う、というニュアンスの言葉で、「Thank you」よりも“2人”にフォーカスした言葉です。「episode」には、結婚式はこれから始まる2人の物語のなかの1エピソードである、という意味を込めています。一緒に暮らし始めたり子供が産まれたりと、結婚式のあとも2人の物語はずっと続いていきます。結婚式を2人のメインイベントと考えるのではなく、これから紡いでゆくたくさんのエピソード全てが2人の大切な思い出になる、という想いからこの言葉を選びました。

海外と日本で大きく異なる、ペーパーアイテムの捉え方

―海外と日本の、「ペーパーアイテム」への考え方・捉え方の違いを教えてください。

海外では、結婚式のペーパーアイテムは全てプロに依頼します。なぜなら、ペーパーアイテムは自分たちで作れる領域ではないから。ペーパーアイテムにかける予算も日本とは大きく違っていて、安くても10万円以上、高いと50万円を超えることも。特に欧米諸国では招待状に予算をかける傾向があり、ドレスを選ぶようにゲストへの招待状にとことんこだわります。レタープレス(活版印刷)も当たり前に取り入れていますし、箔押しや分厚い紙、リボンなどの装飾にまでこだわりを持っています。依頼したペーパーアイテムは封入までされた状態で納品され、あとは郵送するだけといった状態か、もしくは発送までプロが一括して行うことも一般的です。

リボンなどの装飾がかわいい披露宴のメニュー表

リボンなどの装飾がかわいい披露宴のメニュー表

日本ではどちらかというと印刷に関するものは安く済ませたいという考えが強いですよね。日本の結婚式ではペーパーアイテムは節約される対象になりがちで、1回きりで終わってしまう招待状やメニューなどはできるだけ予算を抑え、そのぶんドレス選びや写真・ビデオにお金をかけたいという方がほとんどだと思います。招待状にかける予算が1部あたり200円程度というなか、『MISA DESIGNS』のアイテムは1部あたり1000円程度。価格だけを見ると高いですが、海外のカップルのように自分たちの想いやこだわりがつまった特別なペーパーアイテムを選びたいというカップルからのご依頼が増えています。自分たちだけのオリジナル感を大切にしたいという思いが、日本でも少しずつ浸透しているのだと感じています。