子育てママの目線で、
「こんなのあったらいいな」を
商品化
〜等身大フォトの魅力〜

小さな体をそっと抱きしめた瞬間が、いつでも思い出せる。それが等身大フォトの魅力です。
ご自身の出産を機に等身大フォトの撮影に取り組み、
「赤ちゃんの等身大フォトアワード2021」で入賞を収められた『30photo』の佐土千佳さんに、
赤ちゃんの時期を形に残すことの意味や子育て中のママ目線で作る商品への思いを伺いました。

子育ての原点に戻ることができる「等身大フォト」 子育ての原点に戻ることができる「等身大フォト」

生まれてすぐから1歳くらいまで、赤ちゃんは常にママに抱っこされ、かたときも離れることなく一緒に過ごします。あまりに近くにいすぎて、ママは赤ちゃんの日々の成長を実感しづらいもの。やがて成長するにつれて怒ったりイライラしたりすることが増え、ときどき自分自身を責めてしまうようなこともありますが、赤ちゃんの姿を等身大で残しておけば、当時の小さかった姿や我が子を抱いたときの気持ちを思い出し子育ての原点に戻ることができます。
私が長男を出産したとき、母が私の生まれたときの写真を持ってきてくれました。生まれたばかりの息子と見比べて「似てるな〜」と思ったりして、大人になって改めて見てみてとても新鮮に感じました。こんな風に写真を残してくれた両親に感謝しましたし、自分の子どもためにも写真を残しておいてあげたいと思うようにもなりました。赤ちゃんの姿を写真に残すことの大切さを知るきっかけにもなりましたね。

赤ちゃんの等身大フォトとは?

アスカブックのオンデマウントは、見開きのセンター部分に切れ目がない印刷と、完全なフラットになる製本技術が特徴の商品です。そのオンデマウントの特徴を活かせば、新生児から2歳前くらいまでの赤ちゃんの姿を“等身大”のフォトアルバムとして残せます。赤ちゃんの時期にしか残せない等身大の姿は、きっと家族の思い出の一枚になるはずです。

子どもの「等身大フォト」撮影をきっかけに、出張撮影『30photo』をスタート

「等身大フォトアワード」を知ったのは、フリーランスのWEBエンジニアとして独立後、アスカネットさんと契約してフォトアイテムを製作するサイトを立ち上げた頃です。当時ちょうど長女を妊娠中で、「子どもが生まれたら撮影をして、等身大フォトアワードに応募してみようかな」と思い、知り合いのフォトグラファーに声をかけました。そのときのフォトグラファーが、現在のビジネスパートナーでもある森さんです。
私はフォトアイテムを作りたい、彼女は撮影に専念したい、とお互いの役割分担が明確だったこともあり、同じママであり子育て世代でもある彼女とならビジネスパートナーとしてベストな関係を築くことができると思って私から声をかけました。その1年後、2人で『30photo』をスタートさせました。

お腹の中にいた赤ちゃんが生まれたところまでを表現

お腹の中にいた赤ちゃんが生まれたところまでを表現

今回の入賞作品は、マタニティの時期から撮影をさせてもらっていたこともあり、赤ちゃんがお腹の中にいる姿から誕生したところまでのストーリーを感じられるイメージに仕上げました。表紙をパタパタと開くことができたり三角に立てて飾っておけたりするオンデマウントの特徴を活かして、開いていくたびに赤ちゃんの成長を感じることができる構成です。全部開いてもいいし、表面だけでも裏面だけでも、どの面から見ても絵になるように作りました。
赤い糸でつなげたデザインは、お腹の中にいた赤ちゃんが誕生したというところを表現。中面はあまり手を加えず、シンプルなデザインで写真の良さを生かしています。

“飾る”という要素が強いオンデマウント。
アート作品として、我が子を感覚的に感じることができる

『オンデマウント』は、記念日や成長の記録として作るアルバムに比べて“飾る”という要素が強く、台紙とアルバムの中間のような商品です。パッと開いた瞬間、感覚的に我が子を感じることができるので、アートとしての特徴も兼ね備えているように思います。一般的なアルバムよりも価格も手頃なのでいろいろな使い方ができる商品ですね。

在園中の写真と卒園証書が見開きに。子どもの成長が感じられる(写真右)

在園中の写真と卒園証書が見開きに。子どもの成長が感じられる(写真右)

オンデマウントの特徴を活かして作った商品が、入園から卒園までの写真と卒園証書が見開きになった、飾っておける卒園証書です。一人ひとり表紙や内容が違うその子だけの卒園証書なので、紙一枚ものよりも、貰ったときの嬉しさがより増すよう意識しました。お部屋に飾っておいても素敵ですし、気軽に手に取りやすく何度も見返したくなる商品です。
ほかにも、子どもの保育園のお友達が引っ越しするときに作ったのが、メッセージを添えられる写真入りの色紙です。最近のカメラは非常に高性能なので、プロの撮影でなくても気軽に高クオリティなフォトアイテムを作ることができます。『オンデマウントSHIRONARI』は文字を書き込むことができるので、スマホで撮った写真をママたちからもらって、みんなからのお別れのメッセージを添えてプレゼントするととても喜ばれました。
私が作るものは、子育てをする中で「こんなのあったらいいな」と感じたことを形にしたもの。それができる今の環境はとてもいいなと思っています。

赤ちゃんの負担を考えて、撮影は30分以内に。
特別な1日ではなくいつもの日常を写真に収めたい

『30photo』は出張撮影専門なので、赤ちゃん撮影の際はお客様の自宅に伺って撮影を行います。予約管理やお客様とのやりとり、当日の赤ちゃんとのスキンシップ、撮影後にデータをアルバムに起こす作業など、撮影以外の業務全般が私の担当です。
子育て中の現役ママ2人が撮影を行うので、授乳やおむつ替えはもちろん、赤ちゃんがグズってしまったときの対応にも慣れていますし、出産直後の大変さやママの不安な気持ちも理解できます。ママと赤ちゃんがベストな状態で撮影を行えるよう入念に準備をして撮影に臨むので、安心して私たちに任せてくださればいいなと思います。
撮影が長くなると赤ちゃんが疲れてしまうので、『30photo』では撮影時間を30分以内と決めています。当日できるだけスムーズに撮影を進められるよう、どんなイメージの写真を撮りたいかお客様に事前にヒアリングを行い、撮影するカットまで事前に細かく決めておきます。
撮影を進めるうちに、赤ちゃんの可愛さに惹かれてついつい「このカットも!」「こっちの角度も!」と欲張ってしまいそうになります。ですが、そこはプロとしてぐっと我慢です(笑)。

撮影に使うアイテムは、素材や使用する洗剤の成分にも配慮

撮影に使うアイテムは、素材や使用する洗剤の成分にも配慮

可愛く着飾った写真も素敵だけれど、私たちが撮りたいのは自然体の赤ちゃん。赤ちゃんを立たせたり手足を伸ばしたりするような難しい撮影は行わず、スヤスヤと寝ていたりママに抱っこされて安心している姿だったりと、あくまでも赤ちゃんの自然な姿にこだわった日常の風景を写真に収めたいですね。
赤ちゃんのお肌はとても敏感なので、少しの刺激でも反応して赤くなったりかぶれたりすることもあります。撮影後、もし赤ちゃんの体に異変が起きたら、たとえ撮影が原因でなかったとしても「撮影が原因かも……」とママが不安になってしまうかもしれません。赤ちゃんの体調にも注意し、撮影用の小物はできるだけ刺激の少ない素材のものを使う、洗剤の成分にも気をつける、生花は使用しないなど子育て経験を活かした細部への配慮も心がけていきたいです。

厳密なサイズよりも、写真を見たときの感覚を重視

等身大フォトを作るときは実際の大きさよりもわずかに小さく作っています。等身大フォトをはじめるとき、アスカネットの営業担当さんから「実際のサイズで作ると、写真として見たときに少し大きく感じることがある」とアドバイスをいただきました。試しに実際のサイズで自分の子どもの等身大フォトを作成してみると本当にちょっと大きく感じたので、厳密なサイズよりも写真を見たときの感じ方を重視しています。

製作はIllustratorで。大切にしているのは、実際の“大きさ”よりも“感じ方”

製作はIllustratorで。大切にしているのは、実際の“大きさ”よりも“感じ方”

写真を撮ることに専念したいというフォトグラファーも多いので、いずれは新たなフォトグラファーを迎え、出張撮影のエリアを拡大していくのも良いかと考えています。私がデザインやお客様とのやりとりなど撮影以外の部分を受け持てば、フリーのフォトグラファーのひとつの集客の場にもなりますし、それぞれのやりたいことをやれる場にもなり、みんながいい形になるのではないかと思っています。
とはいっても、『30photo』はまだ始まったばかり。ひとつ撮影を終えるごとに少しずつ調整しながら、私たちらしい形を作っていきたいですね。

佐土 千佳(サド チカ) 佐土 千佳(サド チカ)

1988年生まれ 兵庫県出身。
ブライダル関係の会社で結婚式のアルバム制作の経験を積んだ後、デザインを学ぶため退職。WEBデザインの学校に通った後、デザイン事務所に入社。
フリーランスに転向し、元同僚のフォトグラファーと一緒に兵庫・大阪・京都の出張撮影を行う『30photo』を2021年にスタート。

『30photo』

https://thirty-photo.com/

Instagram

https://www.instagram.com/30thirty_photo/